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こどもの疑問

「精神科医になる」(中公新書)ほぼ読了。著者は1969年生まれ、自分より4つ年上の精神科医。自分が抱く疑問と同じようなことを疑問にかかえながら臨床に取り組んでいるお医者さんがいるのだなあ、と安心しながら読んだ。「病気なのか甘えなのか、見極めがつかないということはあるのか」、「精神科医は、患者が病気であることを本当に証明できるのか」etc。著者はこういう疑問を臨床における「こどもの疑問」と名付けている。こどもが疑問におもうことは、常識となっている所与の前提条件を疑うことである。
 大半の大人にとって、「こどもの疑問」について考えることは日常生活の役に立たないばかりか、時には日常生活の障害になりうるものだと思う。しかし、自分が素敵だなあと思う大人は「こどもの疑問」と常に取り組みながら生きている人である。
 精神科関連では大家の著書ばかり読んできたので、著者のような年齢の近いセンセイの文章を読むと素朴すぎて、たよりなさげなかんじもある。しかしそれだからこそ、親近感もある。こういう先生がいるなら、ソーシャルワークという精神科領域と深く関わる仕事もまだまだ捨てたものではない、と自分の今置かれている状況に半分目をつぶりながら思う。

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